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法律の勉強にはテクニックが必要

自分が目標とする期間で確実に弁理士試験にて合格するためには、やはり効果的な学習方法について知っておく必要があります。

弁理士試験については、その試験の種類の独特な性質から、試験ごとに対応するための秘訣というものが存在します。その点は後ほどそれぞれご説明しますが、ここではまず法律の勉強そのものに必要なテクニックについてご説明することにします。

これは、どのような法律の国家試験にも共通することですが、簡単にいえば法律は「暗記するものではなく理解するべきもの」です。

そのため、試験対策として、どれほど法律や条文を読んで暗記しても、それはあまり大きな効果をもたらしません。たとえば、六法全書を最初から読んでいったとしても、おそらく読み終わったときには法律の勉強への意欲をむしろ失わせる結果となってしまうことでしょう。

これは英語の勉強をするときに、辞書を読めば良いというわけではないことと同じです。法律のもつ性質やそのような法律がある理由などを含めて学ぶことにより、つまり法律を「理解」するような仕方で学ぶことにより、法律の概要を理解して応用の利く対応ができるようになっていくということです。

とはいえ、上記の勉強はいわば「インプット」式の勉強方法で収まることが少なくありません。この「インプット」式の勉強方法とは、簡単に言えば「知識を詰め込む」方法です。これは、単に「暗記」することとは異なり、法文を理解することも含めた知識の積み重ねのことです。

そのように知識を増やして質問に対する判断を即座に行えるように幾度も勉強を積み重ねていき、正しい答案を導き出せるよう徹底的な訓練をしていくということです。

幾つかの法律系の国家試験の場合は、そのような勉強方法に重点を置くことが秘訣のひとつとなることもあります。体が反応するようになるまで徹底的に質問に接していくことにより、合格ラインに達するまでの知識を習得しておくわけです。

弁理士試験の勉強対策としては、このような「インプット」式の勉強方法のほかに、「アウトプット」式の勉強方法も必要となる2つの側面があります。

この「アウトプット」式の勉強方法とは、簡単に言えば「どのように説明するかという技術」を身につけることです。

特に弁理士試験の第2試験、第3試験ではこの技術が大きく求められることになります。どれほど知識が詰まっていても、「説明するための表現方法」がなければ合格ラインに食い込むことが難しくなってくるのです。これらを踏まえておくことは、参考書や通信講座、または資格講座を選ぶ際に、とても重要になってきます。


ここでは、「インプット式」の勉強方法の重要性について触れましたが、さらに具体的にそれぞれの弁理士試験に対する対策について見ていきましょう。

短答試験の勉強方法について

それでは、3つに分かれている弁理士試験中で最初の試験となる「短答試験」の勉強方法について見ていきましょう。

実は、この「短答試験」のための勉強は、その後に続く第2試験の「論文試験」や第3試験の「口述試験」の基礎となる勉強ともなっているため、しっかりとそれらの試験を見据えた勉強方法を取っていくことが大切なポイントのひとつとなっています。

つまり、単に法文を「暗記」するのではなく、法文を理解して、どうしてそのような理解になるのかということの「理由付け」や「根拠」をしっかりと踏まえておくことが大切であるのです。

このような勉強方法には、当初は時間がかかるように感じるかもしれませんが、やがてしっかりと法文の根拠を理解したと実感できる分野と、いまだに法文の理解にあいまいさが残っていると感じる分野が浮かび上がってくるはずです。

そのようにして弱点となる分野をしっかりと克服しておくことが、合格ラインに到達する上では不可欠であると言えるでしょう。短答試験への対策時に、どのようにこれを説明するのかという「アウトプット」型の勉強を並行して行なう必要はありません。「理由付け」や「根拠」を理解しておくという「インプット」型の勉強にとどめて起きましょう。

「インプット」型の勉強には、とにかく繰り返し時間をかけて行なうことが効果的です。ここで大切なのは、「何にどれほどの時間をかけるのか」という点です。

法文説明や解説を読むことは無駄にはならないかもしれませんが、直接的に点数を稼げるような効率性はありません。ですから、まずは過去問題集を取り揃え、完全に過去問をマスターできるまで繰り返し質問を解いて行きましょう。

たくさんの参考書を網羅するよりも限られた冊数を何度も繰り返して勉強し、完全にマスターするようにしたほうが効率的であるからです。過去問題集から内容を予測してさらに発展させた問題集もお勧めです。

資格学校での講習の必要性はあとでご説明しますが、少なくともそれらの大手の資格学校が出版している問題集などは、改正法などもしっかりと網羅していることが多いため、押さえておきたい問題集のひとつです。

それらの質問を繰り返していく上で、間違った質問には「しるし」を付けていきます。何度も間違う問題はその「しるし」が増えていくわけです。その「しるし」が増えた種類の問題の法文を理解するために、関連する解説をしっかりと勉強しましょう。

法文解説の理解として基本的に用いるのは、通称「青本」と言われる「工業所有権法逐条解説」です。弁理士試験には必須アイテムの一つと言えるでしょう。

何度も同じ質問を間違うということは、その根拠や理由付けが理解できていないということです。このようにして自分の弱点を浮かび上がらせて、数冊の問題集をほぼ完璧に解答できるようになれば、そのあとは模擬試験で実際の自分の応用レベルを確認してみましょう。

それを繰り返すことにより、合格ラインまでの基準には到達することは容易になってくるはずです。

論文試験の勉強方法について

弁理士の論文試験は、最も多くの受験生がその勉強方法で失敗している分野であるといっても良いでしょう。

確かに、論文試験そのものの内容が難しいということは事実かもしれません。とはいえ、一部の不合格となる理由には、「どのように論理的に説明するのか」という「アウトプット」型の勉強方法が不足しているということにあるようです。また、その点をしっかりと学ぶ場所や方法がそれほど整えられていないということにも原因があるのかもしれません。

では、どのようにすれば効率的な「アウトプット」型の勉強方法で論文試験に備えることができるのでしょうか。まず短答試験対策でも述べたように、法文を勉強する際に「理由付け」と「根拠」を理解するような勉強を基礎として行なう必要があります。

「暗記」型の勉強は避けなければいけません。当然ながら、自分が「理解」していないことを論文で「説明」することはできないからです。通称「青本」と呼ばれている「工業所有権法逐条解説」の新しいものを活用して、しっかりと法文理解を深めるようにしておきましょう。

同時に、見過ごされがちなのが「表現方法」、つまり「書き方」です。「何を書くか」も大事ですが、「どのように書くか」がかなり重要なポイントとなります。

まずは、どのような論文が求められるのかを過去問や解答例などを用意しましょう。この解答例は一般に「レジュメ」と呼ばれています。この「レジュメ」の論文の書き方や展開方法を自分のものにするために、何度も実際に試験に臨んでいるような状態で書いてみてください。

文の構成も大切なポイントです。大切なポイントが抜けないように大まかなアウトラインをメモ書きに書くことで、論文の構成に慣れるようにする人もいるようです。

「レジュメ」を用いた論文の練習をする際にも、しっかりと時間を計って行なってください。決められた時間内で誤字脱字、論理的展開へのチェックを含めて論文を書き上げることになれる必要があります。

また、練習の際に記載する用紙は、実際の試験で用いる答案用紙を使用するようにしましょう。いずれにせよ、まずは過去問の「レジュメ」をしっかりと網羅することが大前提です。

また、口述試験の過去の扱われた内容が次年度以降に論文試験に使われているケースもしばしばあるようです。そのため、過去問の確認には論文試験と口述試験の双方を確認しておくことを強くお勧めします。

このように、過去問題を確認して、そこで論文の展開方法の枠組みを自分のものにしたあとは、資格講座などで提供している論文対策の問題集などを活用しましょう。

とにかく、「書く」ことに慣れ、「レジュメ」で示されているような論文の構成を自分のものにすることです。第1試験から第2試験までは2ヶ月しかありませんので、ストレートでの合格を目指している場合には、第1試験と並行した練習が必要になってきます。

第1試験が終わるまで、論文対策が手付かずになってしまうことは無いようにしたいものです。それが、第2試験の合格率が最も低いことの要因であるかもしれないということは覚えておきましょう。

口述試験の勉強方法について

無事に第1試験、第2試験を通過すれば、次は、最終試験の口述試験となります。

最近の弁理士試験の口述試験合格者は約88%なので、一見するとそれほど難しくないように思えるかもしれませんが、尋ねられる内容は、「特許法」、「実用新案法」、「意匠法」および「商標法」について、いわば「突っ込んだ」内容になっていることが多く、しっかりと法文を復習して望む必要があります。

主要なものは条文を暗記していたほうが良いという学校もあるようですが、実際のところは口述も比較的会話形式で行われることが多く、単に「○○の条文をすべて言ってみてください。」というような質問はあまり無いようです。

しかし、解答する内容としては暗記しているほどのレベルが求められるのは確かなようですから、上記の基本条文については、確実に細かな部分も抑えておく必要があります。

第1試験、第2試験をしっかり勉強した上で臨む口述試験ですから、落ち着いて臨むことがなによりの対策であるといえるかも知れません。結局のところ、口述試験も「アウトプット」型の勉強に重点を置く必要があるということです。

これには、口述試験が持つ独特の雰囲気になれておくという点も挙げることができるでしょう。そのため、口述試験については可能な限り、資格学校や各ゼミなどで提供している口述模擬試験などを活用することが最善の方法かもしれません。

口述試験に臨む際には、なるべく簡潔な答えにすることや、沈黙してしまうことが無いようにするなど、試験官への良い印象を与える細かな要素も念頭に置く必要があります。

実際の口述試験では試験官の「あたり・はずれ」もあるようです。そのような場合、多少意地悪な質問をされて答えることができないようなときもあり得るわけです。

それでも、ただ困ったり沈黙したりするのではなく、落ち着いて対応することにより、他の面で取り戻すことはできるようです。
3科目ある中で2つ以上の「C」評価を受けなければ合格できにないとされています。

いずれにしても、自分ひとりで練習するにはやはり限界があるので、客観的な意見を受けることの出来る口述の模擬試験などで、しっかりと口述解答の方法や雰囲気に慣れておけば、不必要に恐れる必要はないでしょう。

弁理士は独学と専門学校どっちがよい?

この前の章までで、弁理士試験のための勉強方法は、その3つの試験によってそれぞれ異なることがわかりました。

これは合格のためにどのような教材や講座を用いていけばよいかということを明らかにするものとなってきます。それでは、どのような勉強のためのツールを用いていくことがお勧めなのかをここで簡単にご説明しましょう。

基本的に弁理士試験にもっとも短期間で合格したいならば、独学を中心に据えることをお勧めしたいと思います。

しかし、すべてを独学で行なうのではなく、あくまでも独学を中心にしつつ、他の勉強方法も活用して行くという意味です。そうすれば、自分が吸収できる勉強のスピードを自分で調整できるため、もっとも効率よく勉強を進めていくことができるからです。

また、資格学校のゼミなどもまったく無駄にはなりませんが、座って聞くだけの勉強方法は、一方通行の勉強方法になってしまいがちです。

集中力の持続や脳の吸収速度を考えても、45分以上座ったままで一方的に聞くという授業は、最近話題になっている脳科学を適用した学習方法という視点からも効率性は低いと一般的に言われているからです。

しっかりと予定を組んで、評判の良い問題集などを用いた勉強を進めていくことがよいでしょう。

まずは、すべての試験についての過去問題集と資格学校で用意しているような演習問題を購入し、それを徹底的に網羅するような予定を立てましょう。参考資料としては、青本と呼ばれる「工業所有権法逐条解説」の新しい版は必須です。

そして、すべての試験に共通して言えることは、答練と模擬試験については資格学校やセミナー、通信教育などで提供しているものをとにかく活用することです。基本講座などがパックになったものを申し込むよりも、シンプルに答練や模擬試験などを単発で活用した方が、効率的に勉強することができます。

特に第2試験と第3試験への対策としては、答練や模擬試験を徹底的に活用して、「アウトプット」型の勉強を客観的に評価してもらうことが重要です。

いずれにしても弁理士試験合格までは1年以上をかけた勉強プランが必要になります。そのため、自分自身が持つ「しっかりとした目標」と「固い意志」は、継続的な勉強を保つためには不可欠でしょう。