弁理士について誤解されていることの一つに、「弁理士は試験が難しいが、ニーズが少ない」とされている点があります。
実際、昔の資格取得に関する本では、「弁理士」がそのように説明されている場合もあり、弁理士への知名度と関心度が低い状況にあった時期があったのも事実です。
しかし、これは日本において知的財産権に関する環境が整っていなかったということに理由があったのであり、現在この環境は急速に変化しています。そして、これは「弁理士」の業務のニーズが急速に高まってきているということでもあるわけです。
このような変化が最近日本で生じてきた背景には、日本経済低迷に関する対策と関係があります。以前では特許出願ひとつをとっても、莫大な時間と手続きが必要であったという状況があり、知的財産権の保護や促進が希薄であったという事実があります。
これでは、相互の創造性や躍進性が認められることによる競争を生み出しにくい環境となってしまい、より建設的なビジネスサイクルを事実上阻むものになってしまっていたというのが以前の環境でした。
この状況に一石を投じるために、2002年12月には、「知的財産基本法」が成立し、また2004年には「知的財産推進計画」がスタートしました。
このように、さまざまな側面で知的財産権を保護し促進することにより、いわば「知的財産立国」を目指すという計画が進んできたのです。
政府政策がこのように知的財産への注目を強く高めることにより、各企業も特許やデザインなどへ力を注入する傾向が強くなってきています。各企業としては、技術やデザインなどの無形財産の基盤を固めて、グローバルな経済体制に対応していくことが必須となってきています。
つまり、今は大量生産や生産プロセスのスキルで経済大国を築く時代ではなく、オリジナリティと高い技術性を前面に押し出していくことが鍵であるということが日本経済のテーマとなってきているわけです。
これは、アップル・マッキントッシュ社のI-Phoneの成功などを見ても、オリジナリティや高い技術性への追求が世界的な消費者の関心のニーズにも合致しているということが裏付けられていると言えるでしょう。
この日本経済の流れにおいて必要になってくるのが「知的財産権のスペシャリスト」であり、それを一手に担っていくのが「弁理士」となるわけです。
そのため、「弁理士」がいまもっとも注目されている資格のひとつであるといっても過言ではなく、弁理士のニーズはますます上昇しています。
同時にこれは、弁理士としての活躍の場所が日本国内にはとどまらないことを示唆しているといえるでしょう。
